2015年10月28日水曜日

ホトケドジョウ


あまりなじみはないが、口ひげ8本の小さなかわいいドジョウだ。

23度出会ったのは京都北山の細い川の脇の水溜まりで水底の落ち葉に紛れていた。千葉県下でも似たような所で見たことがある。数センチと小さく、ドジョウとしてはずんぐりした感じで動きはゆっくりしている。
田圃にも居るようだが見たことはない。今の田圃ならよほど水のきれいなところで、かつ、あまり高水温にならないところでないといないのではないか。
水槽で飼いやすいそうだ。姿がかわいい上に、名が名だから食べるのは気がひける。

 

ブルーギル


害魚としてはブラックバスの方が有名かもしれないが、私は専門的な根拠は何もないけれど、他の魚の卵や稚魚を食うという点でブルーギルの方が在来の魚に及ぼす影響は大きいと思っている。それに、なにしろ数が多い。繁殖力がものすごいのだろう。

琵琶湖の浜大津に何十年振りかでタナゴを釣りに行ったところ、ブルーギル以外の魚は一匹も釣れず、あちらでやってもこちらでやっても数センチのブルーギルばかりが次から次へと掛かってくる。湖岸にはいったいどれくらいの数がいるのだろうかと恐ろしいくらいだ。浜大津近くのなぎさ公園には釣ったブルーギルを捨てるための箱が置かれているくらいだ。ここでは、密度が高いせいか、皆数センチの小さいものばかりだ。小さくても釣り上げるとほとんどのものは鈎を飲込んでいる。

琵琶湖のみならず京都ではどの川にも池にもブルーギルがいる。全くもって腹立たしい魚だが、丈夫で姿がよいので水槽で飼うには適している。

どのくらいの大きさになるのか知らないが、20センチ位でも体に厚みがでて、釣ると糸鳴りがするほど強烈に引く。琵琶湖湖北のキャンプ場へ孫達と一緒に行った時に手の平くらいのを釣って焼いて食べたが、なかなか旨く子供達も食べた。広く一般の人に食してもらうにはどうすればよいのだろうか。

2015年10月25日日曜日

ブラックバス


私はブラックバスをねらった釣りはしたことがないが、大きいのは50センチを越えるものがいるようだ。

雑魚を釣っていて釣れてくるのはほとんど1020センチ程度。桂川でも岸辺の水面近くを30
センチ級がゆっくり泳いでいるのをよく見かる。ブラックバスがいる所には大抵ブルーギルもいて、両者はセットでいるのではないかと思ってしまう。アメリカではバス類は食用にされているようだが、日本では食べる習慣がないだけで、いずれ料理法が開発され、有名な芸能人が「これはうまい!」と言ったりすればたちまち食べる人が増えるのではないか。などと思っていたのだが、つい先日琵琶湖博物館に魚の写真を撮りに行き、昼食のため館内のレストランに入ってメニューをみたら、なんと「ブラックバス丼」、「ナマズ丼」とでているではないか。女房と二人で両方を半分ずつ食べてみたら、共に大変旨かった。お世辞ではなく実力で大変旨かった。ねばり強く提供し続けていれば、そのうちにクチコミで広がり、食するに足る魚だと認 められていくのではないかと思った。いずれブルーギルも俎上に上るに違いないと期待している。



フナ


子供の頃は、田の水口や水路にドジョウなどと一緒にたくさんの小鮒がいた。私の親戚が山陰腺の八木に住んでいるが、昔、そこでは田の用水路に面した家では、フチと称して水路の底を少しだけ掘って深くしておき、秋に田の水が落ちるとそこに小鮒が取り残されてしまう。これを甘露煮にしたものを毎年食べさせてもらった。

鮒は、40センチを越えると大物で、それは大抵ゲンゴロウブナ(ヘラ鮒)だが、そのような大物は昔はなかなか釣れなかった。しかし今はそれほどでもない、鯉と同様川相や水質が鮒に適したものになってきたのだろう。桂川では40センチ級もさほど珍しくはない。

2015年10月21日水曜日

ヒガイ


京都にいた頃、琵琶湖の疎水取り入れ口でハエやモロコなどの雑魚をミミズ餌でねらっているとそれらに混じって時折釣れてきた。関東では埼玉県渡瀬川の三国橋あたりで釣れた。関西の魚と聞いていたが分布域が広がったのだろう。繁殖期には婚姻色で顔や腹のあたりが薄いピンク色になってなかなか美しい。大きさはハヤより少し大きく20 センチくらいなのがいる。同じ場所で、体の色が黒っぽい、これもそれなりに美しいアブラヒガイというのが釣れることもあった。
大量には捕れないが、食べるとなかなか旨い。明治天皇が旨いといわれたので鰉と書くのだそうで、天皇陛下が旨いと言われたのだから、私たち庶民にとって旨いのはあたりまえだ。
 
     ヒ ガ イ


   アブラヒガイ            
 

ハス


小型のものはハヤと区別するのが難しいが、10センチを越える頃になるとわかるようになってくる。下あごの先が上向きにほぼ90度曲がって、代わりに上あごの先が下あごの突出を受け入れるようにへこんでくる、30センチほどになるとその特徴が明確に現れる。

琵琶湖から放流用のアユに混じって各地に広がったようだが、利根川にもいた、水面の小魚の群がとび跳ねて逃げるのはハスかブラックバスだが、昔はブラックバスはいなかった。水面の小魚の動きでハスがいることがわかったものだ。滋賀県の野州川ではコオロギやバッタを餌に水面を流して釣った。また、瀬田の唐橋のあたりでは、なぜかコイ釣りの吸込み仕掛けに30センチ級がかかってきたことがあった。塩焼きが旨い魚だ。

2015年10月18日日曜日

ハクレン

関西では見たことがないが、利根川では繁殖期に栗橋のあたりに集結して、たくさんのハクレンが水面で一斉にジャンプするのが毎年のように新聞紙面を飾る。普段は栗橋よりもう少し下流にいるようで、私も佐原でコイ釣りをしていたときに50センチ程度の奴を23度釣ったことがある。大きさの割に引きはそれほどでもないのは、頭ばかりで下半身が貧弱だからなのだろう。しかし、巨大なのもいるようだ、佐原の岸辺に死体となって転がっていたのは1
メートルを遙かに越える大物で、体幅があるのでよけい大きく見えた、漁師か誰かが捨てていったのだ。
釣ったのを一度持ち帰って料理してみたが、まず、捌くのが大変だ、骨が硬く頭を落とすのは普通の包丁では刃がたたず、金槌でたたいてようやく切り離した、あばら骨なども猛烈に硬い。小骨も多い、甘辛く煮つけたが、苦労した割に味もいまいちであった。中国の北京では重要な食用魚だと聞いたが、あそこではどうやって食べるのだろう。



ハヤ


海の魚・川の魚を問わず、魚には地方名が多いのだが、同じ京都の中でも所により人によりハエ、オイカワ、ヤマベ、ハイなどと呼び方が違う。京都というエリアよりもっと狭いエリアごとに呼び名が異なるようだ。1617センチになると大物で、こんなのは大体美しい雄で口辺に白く堅い追星がついていることが多い。雌ではそれほど大きいのは見たことがない。

小石の多い川を好むようだが、生活域はかなり広いようで、ダムや池にもいる。京都の上賀茂神社の裏にゴルフ場があって、その中に小池という池があるが、ゴルフ場になる前はとても静かな良い所でよく家族そろって遊びに行った、その小池にはいろいろな魚がいて、ハヤも大きいのがよく釣れた。ハヤは少し苦みがあるが、この苦味が良いところであり、塩焼き、煮付け、天ぷらなど私はよく食べる。腹控の黒い幕をきれいにとれば苦味は少しやわらぐ。


 

2015年10月14日水曜日

ニゴイ


宇治川の宇治橋あたりは、怖いような水量・流れだがそこに大きいのがいる、吸い込み仕掛けで30号のおもり、竿をしっかり固定してねらうときっと釣れる、50数センチと型もそろう。ニゴイの引きが強いのは最初の一のしだけで、後は大した抵抗もなく上がってくる。

しかし、大きいだけに最初の突っ走りはかなりのもので、私はリールつきのまま竿をそっくり持って行かれたことがある。竿尻に尻手糸をつけておいた方が無難だろう、魚種は何でも良いから大物をという方にはおすすめである。

食用には向かない。積極的な臭みなどはないが、特段の味がなく、なにより小骨の多いのがいけない、私は何でも食べる方だが、よほど小さいもの以外ニゴイは食べない。

加茂川の四条大橋の上からのぞくとそこそこ大きいニゴイが泳いでいるのをよく見かける、しかし、釣ろうという人はいないようだ。

ナマズ


ライギョと共に私の好きな魚だ。水槽で飼っていると昼間はプラスチックハイプの中でじっとしているが、夜になるとすばらしい、ゆらゆらと泳ぎ回る姿は実に美しい。体が柔軟でパイプの中でほとんど定位置のままくるりとUターンすることができる。体中に感覚器官があるのかどうか、体の後ろの尾に近い当たりに餌の魚肉が触ると瞬間的にくるりと回転して食べる。大食漢である、30センチほどのナマズを飼っている水槽に数センチの生きたモツゴを24匹夕方に入れたら、夜のうちに全部食べて朝には一匹もいなくなっていた。肉食の魚に共通するが、水槽で飼うときは水質管理に留意しなければならない。水質だけでなくストレスにも弱いように思われる、明るすぎたり、しばしば棒でつついたりすると、人の円形脱毛症のように頭の上がカビたようになってくる。ストレスのためなのかどうか学問的なことはわからないが、薄暗く静かにしておかないとこのようなことになってしまう。

釣りは夜の置き鈎が効果的だが昼間でも釣れる、田に水が入る頃に産卵のために溝に上がってくるのでその頃がねらいどきだ。しかし、寒い冬にも釣れることがある、1月に木津川でニゴイをねらっていたらナマズが釣れて驚いた、埼玉県の川でも冬に釣ったことがある、いずれも卵を抱えた大物であった、雌は産卵の春に備えて冬でも餌をとっているのかもしれない。

2015年10月11日日曜日

ドンコ


私の好きな魚の一つだ。普段は小魚が集まる岸辺の草陰や石垣の隙間などにじっとしていて、小魚が目の前に近づくと電光石火飛びかかる。時には底の泥に身を隠して目と頭の上だけを出していることもある。

こんなことがあった、一つは、中くらいのドンコが蛙をくわえたのはよいが、飲み込むことも吐き出すこともできず、腹を上にしてひっくり返っていた。捕まえて蛙を引き出してやるとドンコはよろよろと泳いで行った。蛙は死んでいた。
もう一つは、加茂川のドンドン(堰のこと)下の深みの岩の間をミミズの餌でさぐっていたら20センチ級の大物が釣れた。肩にヤスで突かれた傷跡があったが、餌を食うほどの元気もので、鈎をはずそうとしたらいきなり左手の親指に食いついた。ドンコの歯は小さいのがいっぱい生えているだけなのだが、噛む力が強いので、後から見ると指の腹にじわりと血がにじんでいた。ドンコはほとんど頭ばかりだが、肉は身離れもよく大変旨い魚だ。

 

 

ドジョウ


この魚も昔はどこにでもいた、田の溝などには必ずいた。秋に田の水が引くと、水のなくなった溝の泥をスコップで掘り返し、土塊の中からドジョウを拾い集めたものだ。私の小学生の頃は食糧難の時代で、学校から帰ると毎日のようにドジョウ捕りに出かけ、捕ったものは夕食のおかずにしていた。しかし、昭和30年代末になって経済成長の波が田圃の隅々にまで押し寄せて来た結果、どこのドジョウも皆ゲンゴロウを連れてあの世へ引っ越してしまった。

かつてはどこにでもいたドジョウだが、飼うとなると意外に難しい、数年前にやってみたのだが、水槽で飼っても、庭に掘った池に放しても、数ヶ月で死んでしまう。

これは魚屋で買ったものだからというわけではないように思える。よくはわからないが、水が動かないのが最大の理由ではないかと思っている。

ちなみに、ドジョウの髭は10本、大きいのはおよそ20センチ、太く、腹は黄色みを帯びている。こんなドジョウをもう一度見てみたいものだ。


 

2015年10月7日水曜日

タナゴ


詳しい分類は知らないがタナゴの仲間は10数種類あるようだ。子供の頃琵琶湖では、どこでもいくらでも釣れた、ヤリタナゴが多くタビラ、アブラボテ、バラタナゴなどが主であったとおもうが、どんな種類であってもボテと称して皆がバカにしていたものだ。浜大津競艇場の観覧席最前列から湖面をのぞくと、たくさんのタナゴが見え、サシムシ(ウジムシ)を餌に竿を出すと次から次へといっぱい釣れた、全部ヤリタナゴで、タナゴとしては大きい方であった。15年前に関東から京都に戻ってきて、何十年ぶりかで浜大津に娘を連れてタナゴ釣りに行って驚いた。タナゴは一匹も釣れず、ハヤもモロコも釣れず、全部が全部小さなブルーギルばかり、今や琵琶湖の湖南はブルーギルが席巻して、タナゴなど在来の小魚を釣ることはできないのではないか。しかし、今でもバラタナゴなら桂川の吉富で釣れる。このタナゴは小型で美しいので水槽で飼うのにちょうどよい。タナゴは小さく苦いので、昔も食べる人はほとんどいなかったが、私はその苦さが好きで、から揚げにしてよく食べた。魚嫌いの父親もなぜかタナゴのから揚げは食べた。

                ヤリタナゴ   
バラタナゴ
タイリクバラタナゴ
                               
 
                                            

 
 


タモロコ


67センチの小さな魚で、10センチ近くにもなれば大物だ。昔は加茂川の加茂橋のあたりのゆっくりした流れに立ち込んで、ブタクサという雑草の茎の中にいる虫で釣ると、ハヤなども混じって何十匹と釣れた。宝ヶ池でも同様にたくさん釣れた。

水槽でも簡単に飼えるが、いまひとつ面白味に欠ける魚だ。ただし、さすがにモロコの仲間だけあって食べると大変旨い。

2015年10月4日日曜日

スナヤツメ


見たのは何回かだけだ。中学生の頃、遠足で大阪であったか兵庫県であったか忘れてしまったが、里山のような所で栽培か自然かわからないがジュンサイがたくさん生えている小さな浅い池がいくつかあって、その横の小川にいた。また、大人になってから、千葉県房総半島の大福山を流れる小川にもいた、いずれも浅い小石混じりのきれいな川で、10匹以上が絡み合うように集まって砂に頭を突っ込みながらくねくねと泳ぎながら何かをしていた。スナヤツメであることは中学生の頃すでに知っていた。網も何も持っていなかったので捕らえることはできなかったが、後で調べると、鰓穴が七つ鱗も顎も胸鰭も腹鰭もない特殊な魚であることがわかった。琵琶湖の水族館でスナヤツメはいないか尋ねてみたら、あれは成長すると餌を食べなくなる、従って飼育はできないのだということであった。しかし、先日京都水族館に行ったらごくごく細いのが水槽の中に一匹だけいた、餌は食わなくてもかなりの日数は生きているのかもしれない。飼ってみる気も食ってみる気もしないが、しかし何か興味を引かれる魚である。

スゴモロコ


八木、吉富当たりの桂川で今でも釣れる、ミミズ餌がよい。肌が白っぽく、キラキラしているような感じのきれいな魚で、数センチのものが多いが15センチくらいのも時折釣れる。大型は数少ないが、小型でも身が締まっていてとても旨い魚だ。