2015年9月30日水曜日

シマドジョウ


砂地を好むようで、昔は加茂川にもよくいた、ドジョウのように田の溝や泥の中にはおらず、水の澄んだ砂地主体の川にしかいなかったように思う、池では見たことがない。

大きいドジョウ程にまではならないが、1516センチのものはいた。髭はドジョウの10本に対しシマドジョウは6本。白地に黒褐色の模様が縦一列に入っており、背中にも模様があって美しい、驚くと素早く砂に潜ってしまう。シマドジョウもよく食べた、ドジョウより身がしまっていて旨かったように思う。

コイ


1メートル強になる大魚で、水族館にいる大鯉は幅もあり子供なら乗れそうだ。姿、形から泳ぎ方までゆったりと優美で美しく、川魚の王者の貫禄は十分。野のコイで腹が黄金色になったものは、観賞用の錦ゴイよりよほど美しいと私は思う。ちなみにコイの髭は2本ではなく4本。

釣りでは、姿の美しさだけでなく引きの強さが何よりの魅力、体が柔軟で、同じ大きさでは鮒とは比べものにならない。ただし、引きの強さは季節によって異なる、以前、6キロ近いのを釣ったが、年末の寒い日であったので、さほどの苦労もなく手網に収めることができた。

コイは雑食性で、動物質から植物質まで何でも食べ、川のブタといわれるほどだ。埼玉県に大きなコイを池に飼っている焼肉店があって、そこでは客が残りの生肉を池に投げると争って食べるのを見たことがある。かなりの汚水にも耐え、生命力は旺盛のようだ。

コイ釣りは、昔は一日一寸といってなかなか釣れないものだったが、最近ではそれほどでもない、しかるべき時にしかるべき場所に行けばきっと釣れる。釣れるようになったのは、ダムや堰がたくさんできたことや水質の変化も関係しているのかもしれない、生息数が多くなったのだろう。

2015年9月27日日曜日

ギギ


海のゴンズイを黄色っぽくしたような魚で、髭は8本。背鰭、胸鰭、腹鰭など鰭にトゲがあり、刺されるとかなり痛い。死んで干からびたのを踏んでも同じように痛い。子供の頃桂川の八木で、太いミミズを餌にして夜に仕掛けておき、早朝見に行くとギギがよくかかっていた、鈎をはずそうとすると胸鰭を動かしてギーギーと音を出す。由良川河口の汽水域でも10月末にハゼと一緒に時々釣れてくる。秋になって上から下ってきたのか年中そこにいるのかはわからないが、その頃に釣れるものは皆大きい、餌は青イソメ。大きいのは30センチ位になる、頭は大きいが体はスマートで食べるときの肉量は少ない。独特の香りがあるので味は人により評価は分かれる。

カワムツ


背鰭の付け根に黄褐色の紋があるので上から見るとすぐカワムツとわかる。我家の近くのサワガニがたくさんいる小川にカワムツがいる、川が小さく水量も少ないので大物はおらず、1213センチで大きい部類だ。しかし昔、三重県の赤目四十八滝に観光で行ったとき、20センチを越えているのではないかと思われるようなのが数匹、水面近くをゆっくりと泳いでいるのを見たことがある。もともと幅広感のある魚だが大物は太く、美しく立派だ。観光地で誰も魚を捕る人がいないような所では、カワムツに限らず意外な大物がいるようだ。川や池の上層部が好きなようで、静かな池の水面に浮かぶようにじっとしていることがある、口が受け口気味であることからみて、水面に落ちてくる虫などを好んで食べているのではないか。

川底をつついて餌を探すようなことはしないようだ。この魚を水槽で飼って驚くのはよく食うことだ、パンくずをやると他の魚が食う前に次々と食べてしまう。食味は良いとはいえない、子供の頃に買ってもらった小さな図鑑には「食用にしない」と断が下されている。しかし、積極的な臭みがあるわけではないし、身の締まりがなく小骨が多いという難があるが、ハヤやウグイに比べて大きく劣るというほどでもない。 

2015年9月23日水曜日

カワバタモロコ


子供の頃は上賀茂の深泥池にたくさんいた、数センチの小さな魚で、メダカと同じく何の防御手段も持たないものだから、外来魚が入ると同時にたちまちやられてしまったようだ。先日、何十年振りかで深泥池を見に行ったら、本当に驚いた。水の中を覗くとカワバタモロコだけでなく、メダカもモツゴもコブナもオタマジャクシすらいない。外来魚を捕らえるためと思われる大きな網かごがいくつか仕掛けられていて、その上半分が黒々と水面から突き出ていたが、その様はまさにゴーストタウンだ。昔ながらの魚の街は壊滅していたのだ、植物相もなにやら貧弱になっているように思えた。50年ほどの間に、池そのものがこんなにまで変わってしまうのかと驚いた。

カワバタモロコの雄は初夏の繁殖期には黄金色になってとても美しい魚だ。今でも日本のどこかにいるのだろうか、久しぶりに顔を見てみたいものだ。

カマツカ


数十センチの浅いところから3メートルほどの深いところまで、砂底の川で少し流れがあればどこにでもいるようだ。砂をほぜりながら底を這いまわったり、じっとしていることが多く、時には砂に潜って頭だけを出している、中層を泳ぎ回ることはまずないようだ。従って、突いたり網で捕らえることはさほど難しくない。動きは直線的で急な方向転換などは苦手のようだ。飼ってみたことはないが、家庭用の小型の水槽ではちょっと難しそうな気がする。釣ると強く引くことはなくバタバタ或いはブラーンとあがってくる。川魚特有の臭みがなく焼いても煮ても旨い魚だ、ミミズ餌でカマツカ目当ての釣りに行くことがあるが、大量に釣れなくてもそこそこの大きさがあるのでよいおかずになる

2015年9月20日日曜日

カジカ


京都北山の谷川によくいた。川底にじっとしていて川虫を餌にした鈎を目の前に落とすとパクリと食いついて簡単に釣れる。体はぬるぬるで大物で17センチくらい、水のきれいなところにしかいないが昔は、たまに加茂川御園橋あたりにもいた。そこそこ数がとれるので甘辛く煮て食べたが、たいへん旨い魚だ。

オヤニラミ


10センチ前後の小魚で、鰓ぶたに目のような黒い紋がある。岡山県の旭川の中流域で、大きな石が多くアシなどが生えている水のきれいな岸辺でよく見かけた。水槽で飼っていたが、気性が荒く、別の奴を入れるとたちまち喧嘩を始め、ボロボロになるまで闘ってついに片方は死んでしまう。一匹だけで飼っていると、あまり動かず落ち着いていて鑑賞価値は高い。生きたエビなどは大好物のようでパクリとたべてしまう。先日、京都水族館に行ったら一つの水槽に何匹かが一緒に入っていた、周りにたくさんいると喧嘩する気にならなくなるのだろうか。


 

2015年9月16日水曜日

ウナギ


口は小さいように見えるが、意外に大きなものでも飲み込んでしまう。

大物の話を二つすると、大阪の樟葉にライギョを釣りに行き、タコ糸に大鈎で蛙を餌に岸近くに仕掛けておき、しばらくしてから見に行ったら糸が張っている、ライギョだと思って糸をたぐると

、木の枝やアシの葉の間を複雑に縫っている。おかしいなと思いつつ慎重に糸をはずしていったら、なんと大きなウナギがかかっているではないか、これは大きなウナギだった。腹は黄色っぽく胴は赤ん坊の腕程あるように思えた。持ち帰って食べたが、捌きかたを知らないので輪切りにして焼いて食べた。今思うともったいないことをした、魚屋に持って行って料理してもらえばよかったのだ。

もう一つ大きかったのは、利根川河口に職場の親睦会から船のハゼ釣りに行った時に釣った奴だ。船べりでハリスが切れたが、運良く船中に落ちた、秋の下りウナギだから大きかったのだ。

岡山の後楽園の横の旭川でコイをねらって暗くなるまで粘っていたら、岸沿いに透明の畳針のようなシラスウナギがくねくねと上流へ向かっているのが見えた、しばらくするとまた一匹上っていく、シラスウナギを見たのはこの時が最初て最後だった。

近所の子は、加茂川では細い竹の先に鈎をつけて太いミミズの餌で石垣の間をさぐる釣り方をしていた、そのうち自分もやろうと思っているうちに京都を出ることとなってしまった。


 

ウグイ


この魚も私はよく食べる。ハヤのような苦味はないけれども、大きいのは小骨が多く、食味はハヤより少し劣るような気がする。小さめの奴はハヤ同様、ポピュラーな魚だ。ヤマメと一緒に上流にいるかと思えば汽水域や海の湾内にもおり、秋に由良川の河口でハゼ釣りをしていると2030センチのものがよく釣れてくる。繁殖期になると雄の腹に赤い縦縞が入り追星も出て美しくなる。大物は40センチくらいになる。

塩焼きでも空揚げでも旨い。

2015年9月13日日曜日

ウキゴリ


  汽水型、淡水型、中流型があって形態や生態が少しづつ異なるようだ。
昔、加茂川の御園橋の近くで何度か捕らえたことがある。頭は平べったく透けているように見え、口はやや受け口で大きい。15センチほどであっただろう。福井県の三国岳へキャンプに行ったとき夜叉が池という小さな池が山の中にあって、その池に小さなゴリのような魚があちらこちらの中層にういていた、そのときは何だろうとも思わなかったが、後で思うとあれはウキゴリの幼魚だったのだ。水槽で飼った事がある。体はハゼより柔軟で小回りがきき、メダカなどはパッと食ってしまう。食べたことは無いが,悪相の魚は旨いのが多いのでこれも旨いのではないかとおもう、何しろ数が取れないので食べるにはいたっていない。



   

イワナ


川の最上流部や寒い地域の山の湖などにいる魚で、

大きいものは数十センチにもなるようだが、いずれにしても簡単には出会えない魚だ。大物になると蛙や蛇なども食うらしい。

東京の多摩川上流でヤマメをねらっていて釣れたのと、学生時代に福井、岐阜、滋賀の三県にまたがる三国岳の福井県側中腹の廃校で合宿をしていた折りに、夜、ごく浅い所でじっとしているイワナを見つけて網ですくったことがある。これは20数センチあって私としては大物であった、塩焼きにしてノビルの味噌和えと一緒に皆でほんの一箸ずつ食べたが、なかなかの好評であった。

2015年9月9日水曜日

イワトコナマズ


学生時代、琵琶湖の沖島の石積から竿を出し、蛙を餌に普通のナマズをねらっていたら、40センチ級のイワトコナマズが釣れた。ナマズと姿形は同じに見えるが、全身のだんだら模様が鮮やかで独特の美しさのあるナマズだ。味はナマズより旨いらしいが自分にはよくわからなかった。

アユモドキ


黄色味を帯びた地に帯状の横縞が十数本入っており、髭は6本、尾鰭は2叉している、1516センチほどの魅力的な魚だ。今や天然記念物として大切にされているが、50年前は、まさか今のような状況になろうとはつゆ思っていなかった。宇治川の淀大橋の下は私がよく行った釣り場で、ここは石積がところどころ川に張り出していて、ここから石積の際にミミズ餌の竿を出しておくとアユモドキがちょくちょくかかった。釣れるといつも必ず鈎を飲み込んでいるので、生かして帰って飼うということはできなかった。今ではとんでもない話だが、よく食べた。独特の香りが少しあり、まったりした感じの肉で旨いものだった

2015年9月6日日曜日

アユカケ


ドンコによく似た魅力的な魚だ。山形県の牛渡川という小さな川に行ったとき、アユカケがいると聞いたがついに姿を見ずに終わってしまった。
金沢にいたときに、手取川の河口にハゼ釣りに行ったとき、10センチ弱のものを2匹釣った、小さいからだと思うが、褐色が目立つ美しい色をしていた。石の下から大物が弾丸のように飛び出して逃げたがアユカケだったに違いないと思っている。大物はどうやって釣るのか知らないが、一度釣ってみたい魚である。