子供の頃はクチボソといっていた。モツゴではピンとこない、やはりクチボソだ。モツゴは「持つ子」で、何か生態的な意味があるのだろうが、クチボソは、口の小さい体を表すストレートでわかり易い名だ。モツゴもすっかり姿を消してしまった魚の一つである。流れの強いところにはおらず、ほとんどは池や沼の止水域にいる。口が小さいので小鈎に赤虫で釣った。梅酒を漬ける瓶を机の上に置いて飼ったことがある。電灯に集まるウンカやパンクズなどをやるとプチップチッと音を出しながら食べる、それが面白かった、勉強よりはるかに面白かった。さすがにモロコの仲間だ、食べるとなかなか旨い。
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